夜の虫

ひそかに、しんしんと

山の川辺で音もたてず鳴いている
水面に映るのは月、月光の鳴き声
小さく、消え入りそうなその姿
ほとんど姿を消してしまったその姿

静かに、静かに

羽音もなくふわりと飛び交う彼らは
季節の移り変わりを見ることは無いだろう
夏の日の一瞬と同じ
いつの間にか消えていくのだろう

ひそかに、

ゆっくりとかすかに、夜の虫は鳴き続ける
その残りわずかしかない時を悲しまず
昼に活動する、沢山のセミ達に交代する時まで
わずかでも、秋になるまで生き続ける



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